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2022年のアルバム9枚

2020年2021年とやってきた今年一年の10曲選出をやろうと思ったんだけど、2022年はアルバムリリースが非常にアツくて曲単位で選出しようとすると収集つかなくなってしまったので、アルバム9枚でやっていくことにした。

 

[目次]

 

TIGHTROPE / 9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bulletの9枚目のアルバム。

全10曲で約35分と、『BABEL』の流れをくむような濃密でドラマチックな展開の連続のアルバムであり、それでいて『DEEP BLUE』を聴いたときに感じた爽快感も同居するかのような、近年の9mmの活動を総括するかのように感じられる一作。

開幕から重厚でドラマチックな展開が爆速で怒涛の如く押し寄せる『Hourglass』で幕を開け、全てが崩壊した世界で立ち尽くしてるかのような悲壮感漂うエンディングを迎える『煙の街』まで、とにかく初めて聴いたときに受けた衝撃の連続が今でも忘れられない。
バンドキャリア18年目にしてまだまだこんな凄まじいアルバムを生み出せるなんて凄すぎるぜ、9mm Parabellum Bullet……

これを引っ提げてのツアー各公演で繰り広げられたライブも凄まじいもので、本作が2023年の結成19周年(普通のバンドであれば20周年の区切りで盛大に祝うであるところを19周年に重きを置くあたりも9mmらしい)の活動に向けての現在の9mmの金字塔とも言うべき作品になるだろうという確信めいたものが感じられたツアーだった。
19周年を迎える2023年の9mmの活動が楽しみで仕方がない。

特に好きな5曲

  • 01. Hourglass
  • 03. All We Need Is Summer Day
  • 05. 淡雪
  • 07. タイトロープ
  • 10. 煙の街

 

az-ldm.hatenablog.com

 

Harvest / 04 Limited Sazabys

04 Limited Sazabysの4枚目のアルバム。

9mm Parabellum Bulletが9枚目のアルバムを出し、04 Limited Sazabysが4枚目のアルバムを出す2022年マジでどうなってんだよ。

前作『SOIL』そしてその間にリリースされたシングル『SEAD』を経て、今作『Harvest』という流れが示しているように、『SOIL』『SEAD』で確立された04 Limited Sazabysというバンドの方向性をより強固なものにしていく覚悟のようなものが感じられる一作。
アルバム表題曲にもなっている『Harvest』の「今は心配ばかりだけど ありふれた 安心増えるから」という歌詞から、彼らなりの音楽に込めた所信表明みたいなものが感じられ、本当に好きなフレーズ。

今年のツアーも観に行く予定なので、このアルバムの楽曲たちがライブでどんな風に表現されるのか非常に楽しみ。

特に好きな5曲

  • 01. Every
  • 04. fade
  • 05. Finder
  • 10. hug
  • 13. Harvest

 

結束バンド / 結束バンド

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく』内のバンド、結束バンドのアルバム。

2022年の暮れになって出てきたヤバすぎるアルバム。
2022年の楽曲10選を選ぶのを断念したのは主にこいつのせい。
9mmとフォーリミがアルバム出してなかったら今年一番好きなアルバムがこれになっちゃってたかも知れないのマジで何なんだよ。

アルバムの良さとして劇中の展開のコンテキストありきな部分は大きいんだけど、『ぼっち・ざ・ろっく』という作品を彩る楽曲集としては120点満点の回答だと思う。
というか、原作で曲名が出ていただけの楽曲たちからあれだけのコンテキストのエグい歌詞を起こしてこられるのさすがに凄すぎないか……?
原作で『あのバンド』というタイトルだけ出ていたところからあの歌詞を起こしたのはもはや天才の所業。

歌詞で言うと、『星座になれたら』の「君と集まって星座になれたら 空見上げて 指を差されるような つないだ線 解かないで 僕がどんなに眩しくても」って歌詞が本当に好き。こんなんもう令和の「月が綺麗ですね」だろ……

特に好きな5曲

  • 02. ひとりぼっち東京
  • 07. あのバンド
  • 08. カラカラ
  • 11. 忘れてやらない
  • 12. 星座になれたら

 

Terms/Years / 8/pLanet!!

『8 beat Story♪』のユニット、8/pLanet!!の1stアルバム。

アルバム制作自体は結構前から告知されてたらしいけど、アルバムリリースの告知が発売日の一週間前で、リリースまでのスピード感がインディーズバンドみたいで笑ってしまった。

8/pLanet!!の魅力として、楽曲ごとに歌唱メンバーが8人の中から流動的に変わることによる幅広い方向性の楽曲というのがあると思ってるんだけど、本作でも正統派アイドルソング、パンクロック、ダンスポップ等の振り幅の広く、10曲の趣の異なる楽曲から8/pLanet!!の様々な魅力が楽しめるアルバムに仕上がっており、10曲の中に8/pLanet!!の魅力が余すことなく詰まった一作。

個人的に好きなコンポーザーである5u5h1さんが『スーパースター』『Loudness』『Good day, Mr. Liar』と3曲も提供されていたのも嬉しかったポイント。

特に好きな5曲

  • 01. スーパースター
  • 03. Loudness
  • 08. あの夏の僕らへ
  • 09. Fork in the road
  • 10. Time Progress

 

酸欠少女 / さユり

さユりの2枚目のアルバム。

はっきり言ってこのアルバムを手に取ったのは完全にリコリス・リコイルの『花の塔』きっかけなんだけど、これきっかけで今までアルバム通して聴いたことのなかったさユりの作品に触れて本当に良かったと思えた一作。

アルバム通しで聴いた中でも、やっぱり『花の塔』という楽曲の存在感は非常に強かった。あのイントロを聴いた瞬間に否応なしに惹きつけられる不思議な魅力がある。やっぱすげぇ曲だよ。
「君の手を握ってしまったら 孤独を知らないこの街には もう二度と帰ってくることはできないのでしょう」って歌詞が本当に好き。こんなんもう令和の「月が綺麗ですね」だろ……

かと言ってアルバム全体の流れ的に他の曲も全然負けてなくて、どの曲も一曲一曲魅力的な上にアルバムの流れの中であるべき位置にしっくり収まってる感じがして、一枚通した流れとしてよく作られてるアルバムになってて通しでよく聴いてた。
酸欠少女→花の塔、世界の秘密→葵橋→月と花束とかの流れが好き。

特に好きな5曲

  • 01. 酸欠少女
  • 02. 花の塔
  • 06. 葵橋
  • 07. 月と花束
  • 09. summer bug

 

Luminous / 鬼頭明里

鬼頭明里の2枚目のアルバム。

終盤に既存のシングル収録曲が固まっていてそこだけはイマイチだったんだけど、アルバムの流れの中で夜→昼へと時間が移っていくコンセプト性のある一作に仕上がっている点が良くて、通して聴きたくなるアルバムになっている。
楽曲ごとに全く異なるキャラクターの歌声が聴けて、改めて歌唱表現力の高さに唸らされた一作。

ジャズロック調の楽曲『DEAD or CALL MY NAME』が特に好きで、癖が強く難しそうな曲を歌いこなしていてただただ脱帽するしかなかった。
(でも本人曰く歌いやすい曲だったらしい。マジで?)

特に好きな5曲

  • 01. BYERONY
  • 02. DEAD or CALL MY NAME
  • 03. Oxidation
  • 11. トウメイナユメ
  • 12. Dive to World

 

The End of yesterday / ELLEGARDEN

ELLEGARDENの約16年ぶりとなる6枚目のアルバム。

正直なところ、アルバム1周目を聴いた第一印象としては「なんか期待してたのと違うな……」というものだった。
それはやはり、このアルバムを聴くにあたってELLEGARDENと出会った頃のあの疾走感のあるサウンドを期待していた部分が大きかったことによるものなのかも知れない。

けれど繰り返し聴いてるうちに、哀愁漂うメロディや一見明るい曲に聴こえても和訳してみると意外と暗い歌詞とか、そういったELLEGARDENというバンドの根幹にある要素はあの頃と何も変わってないということが分かった。
それが何だか、久しぶりに再会した友人が随分と大人びた雰囲気になったようで、でもよくよく話してみたら根っこにある部分はあの頃と変わっていなかったみたいな、上手く言い表せないけどそんな気持ちになった。

そして何より、ELLEGARDENが過去の伝説のバンドではなくて、現在進行系のバンドとして帰ってきたことが嬉しくてたまらなかった。
おかえりなさい、ありがとう、ELLEGARDEN

特に好きな5曲

  • 01. Mountain Top
  • 04. Strawberry Margarita
  • 07. Firestarter Song
  • 09. 10am
  • 11. Goodbye Los Angeles

 

アントロギア / THE BACK HORN

THE BACK HORNの13枚目のアルバム。

アルバムタイトル『アントロギア』(花を集めること)にも表れているように、サウンド面では比較的綺麗目な楽曲が多いんだけど、その中でも『深海魚』や『ウロボロス』みたいな異彩を放つ楽曲もあって、トータルで独特な雰囲気を放つアルバムに仕上がってる。

THE BACK HORNというバンドが世に出てきた頃のあの荒々しさや鬱屈とした雰囲気が鳴りを潜めてから久しいけれど、今作でも彼らの楽曲の根幹にある生命賛歌は健在だと感じさせられた。
バンドを結成した頃から一貫して泥臭くも強く生きることを歌い続けていて、だからこそここまで長く活動し続けられたんだと思うということを改めて感じさせられた一作だった。

結成25周年を迎える2023年の活動も楽しみで仕方がない。

特に好きな5曲

 

PHALARIS / DIR EN GREY

DIR EN GREYの11枚目のアルバム。

正直、前作『The Insulated World』は個人的にはそこまで刺さらなかったアルバムだったんだけど、今作に関してははガン刺さりだった。

開幕『Schadenfreude』からいきなりから10分近くある楽曲で始まり、聴くものをふるいにかけるかのような構成が『UROBOROS』の『VINUSHKA』を感じさせる構成で、『UROBOROS』を初めて聴いたときのような、得体の知れない世界に足を踏み入れていくような感覚を味わえたのが、恐ろしさと同時に何だか嬉しくもあった。
DIR EN GREYマジでどの領域まで行くつもりやねん、何なんこいつら……

特に好きな5曲

  • 01. Schadenfreude
  • 03. The Perfume of Sins
  • 06. 落ちた事のある空
  • 09. Eddie
  • 11. カムイ

 


 

選外にはなったものの、Fear, and Loathing in Las Vegasの『Cocoon for the Golden Future』、Liella!の『What a Wonderful Dream!!』や、ミニアルバムではRoseliaの『ROZEN HORIZON』、Re:ステージ!の『Reboot』、CUE!の『花鳥風月』あたりもよく聴いてました。

2022年は特に自分の好きなバンドやコンテンツの新作リリースが盛んで、2020年のコロナ禍以降の楽曲制作の成果がこの年になって一気に開花かのような印象のある一年でした。

2023年には既に凛として時雨が新アルバムをリリースすることが告知されているし、今年一年のリリースも非常に楽しみですねぇ……!!
コロナ禍を境に苦しい状況が続いた音楽シーンが少しずつでもより良い方向に向かっていけるような年になることを願ってやみません。

以上。