最後に9mm Parabellum Bulletのライブを観たのは2020年の年明けライブ。
2Q2Qのチケットは落選、最後の望みだったCDJも中止となり、実に一年以上ぶりの9mm Parabellum Bulletのライブとなった。
先攻:9mm Parabellum Bullet
開演時刻となる18時を少し過ぎた頃、会場が暗転し、いつも通りの入場SE『Digital Hardcore』が流れ、ステージに9mmのメンバーが現れる。
卓郎がギターを鳴らし、「9mm Parabellum Bulletです」の挨拶を皮切りにメンバー全員が各々の楽器をかき鳴らす。
何もかもがいつも通りの、そしてこの約一年間見たいと切望し続けた光景だった。
そして開幕『太陽が欲しいだけ』が演奏される。
開幕からこの選曲には感情がもうぶっ壊れてしまいそうだった。
その後もシームレスに繋がるサクリファイス→Supernovaや名もなきヒーロー→新しい光の流れに痺れまくったり、発声が禁じられた状態でのTalking Machineにもはや拷問だろと思ったり、感情を破壊されまくった末「最後の曲です!」からのロング・グッドバイという選曲で最後のとどめを刺されたり、何もかもが鮮烈で、ひたすらに楽しい時間だった。
太陽が欲しいだけ、Answer And Answer、サクリファイス、The World、名もなきヒーロー、新しい光といった選曲には、この時勢を見て書かれたわけではない楽曲の数々でありながら、今演奏されることで不思議とマッチしているかのように感じられた。
「ここに来ることを選んだ人も正解だし、来ないことを選んだ人も正解だと思います」という卓郎の言葉がとても印象に残っている。
今回のライブに来れなかった人、行かないという選択を取った人のことをたくさん見ていて、自分自身今回参加することに対して不安や後ろめたさみたいなものが全くないとは言えない複雑な心境がありつつ、今回会場に行くことを選んだ。
そんな様々な選択を取った人達全てに向けてこんな言葉をかけてくれたことに救われた人も多いはずだし、自分自身救われたような気持ちになった。
そして、こんな言葉が飾り気なくスッと出てくる菅原卓郎という男に、俺は心底惚れている。
後攻:鰰の叫ぶ声(9mm Parabellum Bullet×THE BACK HORN)
9mm Parabellum BulletとTHE BACK HORNが同じステージで一緒に音を鳴らす。
両バンドを長年追い続けてきた自分にとっては夢のような光景。
開幕のコバルトブルーで栄純と滝が一緒にあのギターリフを弾いてる姿を見た瞬間、様々な思いが溢れてしまった。
MCの中で「親戚みたいな感じ」という言葉があったように、両者の楽曲・演奏にはそれぞれ似通った部分があって、お互いの曲を演奏していても不思議と元から自分たちの曲だったみたいに馴染んだ感覚が感じられた。
演奏そのものに大きなアレンジが加えられたわけでもないのに、卓郎が歌うバクホンの曲は9mmっぽくも聴こえ、将司が歌う9mmの曲はバクホンっぽくも聴こえる、不思議な感覚だった。
9mm Parabellum BulletとTHE BACK HORNの8人でかき鳴らす冗談みたいなデカさの轟音を浴びつつ、ライブってのはこんな風に日常から切り取られた箱の中で、非日常的で、冗談みたいな、現実じゃないみたいな音を浴びることができる空間なんだったな、なんてことを考えていた。
こんな風にちょっとした非日常が楽しめて、感情が満たされて、明日も生きようって思える、そんなライブという空間が自分にとって大切な場所なんだったってことを再確認することができた。
ありがとう、9mm Parabellum Bullet
ありがとう、THE BACK HORN
セトリ
- 太陽が欲しいだけ
- Answer And Answer
- 白夜の日々
- サクリファイス
- Supernova
- The World
- 名もなきヒーロー
- 新しい光
- Talking Machine
- ロング・グッドバイ
鰰の叫ぶ声
[9mm Parabellum Bullet×THE BACK HORN]
- コバルトブルー
- ハートに火をつけて
[黒組(菅原、中村、菅波、松田)]- Vampiregirl
- 罠
[白組(山田、岡峰、滝、かみじょう)]- The Revolutionary
- 戦う君よ
[9mm Parabellum Bullet×THE BACK HORN]- 刃
- Black Market Blues