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9mm Parabellum Bullet「カオスの百年 TOUR 2020 ~CHAOSMOLOGY~」Zepp Haneda セトリ&感想

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今回のツアーでは、『BABEL』そしてインディーズ盤『Gjallarhorn』『Phantomime』の再現ライブが行われる。
「カオスの百年 TOUR 2020 ~CHAOSMOLOGY~」の内容が告知されたとき、これはとんでもないツアーになる、そんな期待と緊張感、高揚感の折り混ざった感覚を抱えながら待ちわびた、本ツアー1本目となるZepp Haneda公演。
それは期待を遥かに上回る、あまりに鮮烈な光景だった。

第一部『BABEL』再現ライブ

開演を告げるブザーが会場に響き渡り、ステージ全体を覆っていた黒い幕が開く。
いつもの入場SEである『Digital Hardcore』とは異なるプレリュードが流れる中、逆光を浴びて9mm Parabellum Bulletのメンバーが姿を現した。
舞台左側からかみじょう、和彦、卓郎、滝で一列に並んだ、あの『BABELスタイル』での登場にまず度肝を抜かれる。
そして、滝さんのタッピングから入る『ロング・グッドバイ』でBABEL再現ライブが幕を開けた。

TOUR OF BABELでのBABEL再現ライブでは同期が使われていた滝さんのタッピングパートを、今目の前で、滝さん自身が奏でている。
その光景を目の当たりにした瞬間、これからBABELを構成する最後のピースがはまっていく光景を目撃にするんだな……と感情が高まっていくのを感じずにはいられなかった。

明けて2曲目の『Story of Glory』では、「You and I!! Try to fly!! All right now!!」と滝さんが叫ぶように歌う光景には思わず胸の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じた。

そこから先も、『I.C.R.A』で「愛し合え!」と叫ぶ滝さんも、『火の鳥』での滝さんの高速タッピングも(このタッピングしっかり見ておきたかったのにスモークが強すぎて滝さんが完全に隠れてしまっていたのがちょっと面白かった)、『ホワイトアウト』のCメロでの音源にない滝さんのコーラスが挿入されるのも、滝さんが奏でるあらゆる要素がBABELを構成する最後のピースとしてはまっていき、『BABEL』というアルバムが今この瞬間に再構築され、完成されていく。
そんな風に感じられる、1曲1曲が鮮烈なライブだった。

そして、苦境の中で『BABEL』という会心の一作を作り上げ、TOUR OF BABELの当時では叶わなかった、滝さんを含めての再現ライブを数年越しに実現させる9mm Parabellum Bulletは、何度倒れてもその度に蘇るまさに『火の鳥』のようなロックバンドだなと思った。

第二部『Gjallarhorn』『Phantomime』再現ライブ

休憩を挟んでの第二部では、おなじみの入場SE『Digital Hardcore』が流れるとともに幕が開き、これまたおなじみのバックドロップが下方からせり上がってくる。
第一部とは変わって4人編成のいつものバンドセットの位置につき、菅原卓郎が「9mm Parabellum Bulletです!」と告げる。
そして各々が楽器を打ち鳴らし、1曲目『(teenage)disaster』の演奏から第二部が始まった。

ステージ中央で不動のボーカル菅原卓郎の傍らで滝善充が暴れ散らかしながらギターをかき鳴らし、負けじと中村和彦も暴れまくる。
滝さんに至っては、ステージを縦横無尽に暴れまくるあまりちょっとでも目を離すとどこへ行ってしまったのか分からなくなってしまう。
これは単にインディーズ時代のアルバムを演奏しているというだけではない、完全に"あの頃"の9mm Parabellum Bulletが目の前に居た。

眼前で再現される9mmのインディーズ時代の楽曲たちはどれもが強烈なエネルギーを放っていたけれど、『marvelous』の「僕たちは誰もが大きくなっただけの子供」で観客を両手で指差す菅原卓郎の姿がひときわ印象に残っている。

「この場所までたどり着いた君たちもまた、大きくなっただけの子供なんだぜ」

いたずらっぽい笑顔を浮かべる菅原卓郎を見て、そんな風に語りかけられているかのように感じた。

もう一つ、インディーズ盤の再現ライブを観ていて、BABELというアルバムの初期9mmっぽさを構成する要素について改めて気付かされた部分があった。
それはきっとサウンド面もそうなのだろうけど、初期楽曲の歌詞全体に漂っていたディストピア感、そしてその中で生きていく人々の生き様を描いている部分も似通っているのかも知れないと感じた。
そういう意味でも、今回の再現ライブで『BABEL』『Gjallarhorn』『Phantomime』の3作を演奏するというのは、非常に意義深いものだったのかも知れないと思った。

 

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MCの中で卓郎が「時代の移り変わりという激しい川の流れがあって、その真ん中で流されずに留まり続ける石のようでありたい」と語っていたのが印象に残っている。
ロックバンドとして成長する部分は確実に成長し、根幹にある変わらない部分は決してブレないで居続ける。
そんな風にしてロックバンドとして理想的な進化を遂げた9mm Parabellum Bulletのことを、俺は心の底から愛している。

ありがとう、Zepp Haneda
ありがとう、9mm Parabellum Bullet

セトリ

第一部『BABEL』再現ライブ

  1. ロング・グッドバイ
  2. Story of Glory
  3. I.C.R.A
  4. ガラスの街のアリス
  5. 眠り姫
  6. 火の鳥
  7. Everyone is fighting on this stage of lonely
  8. バベルのこどもたち
  9. ホワイトアウト
  10. それから

第二部『Gjallarhorn』『Phantomime』再現ライブ

  1. (teenage)disaster
  2. Talking Machine
  3. interceptor
  4. atmosphere
  5. Beautiful Target
  6. marvelous
  7. farther

  8. Caucasus
  9. Mr.Suicide
  10. Vortex
  11. 少年の声
  12. sector

[EN]

  1. 泡沫

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