行ってきた。
9mmの結成記念日とされる3月17日(諸説ありとのこと)
9月9日と並んで毎年記念ライブが開催される日としての存在感を増してきたこの日に開催された、結成18周年を迎える9mmのライブ。
新曲あり、カヴァーあり、そしてEX THEATER ROPPONGIにゆかりのある楽曲たちの数々と、結成18周年を盛大に祝うかのような熱狂の空間でした。
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開演の時間になると会場が暗転し、いつも通りの入場SE『Digital Hardcore』が場内に鳴り響く。
ステージ後方に9mmのバックドロップがせり上がり、ステージに9mm Parabellum Bulletのメンバー4人とこの日のサポートメンバーとなるHEREの武田将幸が姿を現す。
卓郎が「9mm Parabellum Bulletです」と告げ、各々の楽器をかき鳴らし、この日の開幕ナンバー『The Lightning』が演奏される。
嵐の巻き起こるかのような轟音で開幕した瞬間、全身の血が沸き一気にテンションが高まっていくの感じずにはいられなかった。
間奏で滝がガンガンにギターを弾きまくり、卓郎が手拍子を煽り、会場の盛り上がりが熱を帯びていく。
高揚感とともに思わず笑みが溢れてしまうのを抑えられなくなった瞬間だった。
その後も立て続けに『Answer And Answer』『Zero Gravity』と、アルバム『Dawning』からの楽曲が続き(この辺りでもしや今日のセトリは……という予感が頭をよぎっていた)、続けて『名もなきヒーロー』が演奏される。
『名もなきヒーロー』のMVを模したようなピンクと紫の照明はこの日も健在で、MVの1カットが再現されたかのような印象的な光景が繰り広げられていた。
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一通りの演奏を終え、卓郎が「皆さん、ようこそいらっしゃいました!」と挨拶をする。
「気合い入れて面白いものを用意してきましたから、楽しんでください!」とこの日にかけた意気込みを語り、続けて「セルフカヴァーの曲をやります!」と告げる。
まさか……という考えが頭をよぎる間もなく間髪入れず演奏されたのは、何と栗山千明に楽曲提供した『ルーレットでくちづけを』のセルフカヴァーだった。
このセルフカヴァーやるの何年ぶりだよ!という驚きが隠せず、思わず大声が出そうになってしまった瞬間だった。
続けざまに演奏されたのはこれまたライブでは久々に演奏されるスピッツの『ロビンソン』そしてUNISON SQUARE GARDENの『徹頭徹尾夜な夜なドライブ』のカヴァーと立て続けに演奏される。
このまさかのカヴァー曲の連発に、否応なしにテンションが高まりまくってしまった。
怒涛のセルフカヴァーとカヴァー曲の連発による熱狂に続いて演奏されたのは、またしても『Dawning』からの楽曲となる『黒い森の旅人』
先の怒涛の展開から一転して叙情的なイントロに始まる静と動のコントラストが印象的な光景だった。
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この日のMCでは今年リリースの新アルバムが8月にリリース予定となること、収録される楽曲が決まりあとはレコーディングをするだけということが伝えられた。
そしてその中から3曲の新曲がアルバムリリースに先駆けて演奏された。
最初に演奏されたのはタイトル未定のインストナンバー。
メタリックなツインリードのフレーズが印象的で、どこか洋楽メタルバンドのアルバム1曲目に入ってるインストナンバーのようなテイストを感じさせる楽曲だった。
2曲目に演奏されたのは、『One More Time』というタイトルのついた楽曲。
サビの「ワンモア ワンモア ワンモアタイム」というフレーズが印象的な、ダンサブルな中に歌謡曲っぽさのある9mmお得意のナンバーといったテイストの楽曲だった。
サビのフレーズが一度ライブで聴いただけで帰りにはもう口ずさめるような非常にキャッチーなメロディで、今後ライブで演奏される中でも盛り上がること必至のナンバーだと感じた。
3曲目に演奏されたのは、『淡雪』というタイトルの、哀愁漂うミドルテンポの楽曲。
叙情的なメロディの中に桜や雪といったワードが印象的で、別れの情景が目に浮かぶような叙情的な展開に、『ホワイトアウト』や『いつまでも』のような印象を感じる楽曲だった。
3曲それぞれのキャラクターは違えども、いずれも9mmの根底にある軸は決してブレていない、"9mmらしさ"が随所に感じられる新曲たちだった。
これらの楽曲がアルバムの中でどのような位置づけとなって登場するのか、今から楽しみで仕方がない。
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この後もアルバム『Dawning』からの楽曲『Caution!!』『コスモス』や、同時期にリリースされたシングル『Answer And Answer』のカップリング曲『Snow Plants』を含む楽曲が演奏された。
(『Caution!!』と『Snow Plants』本当に好きなのでめちゃくちゃ嬉しかった)
明けのMCで、この日のセットリストについて卓郎が「前にこのEX THEATER ROPPONGIでライブをやったのが『Dawning』というアルバムのツアーのエクストラ的な公演ということで、今回は『Dawning』攻めでお送りしています」とこの日のセットリストのコンセプトについて種明かしをする。
(「でもあの曲やってねぇじゃんとか、そういうのは言いっこなしで頼むぜ!」とも語っていた)
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また、この日のライブで特に印象的だったのが、ステージ後方に設置された、縦長の照明による演出だった。
ステージ後方に数本立てられた縦長のモニターのような照明により、『Snow Plants』では舞い落ちる雪のような白い光景が、『コスモス』では満開のコスモスの花々のようなピンク色の光景が、『泡沫』では浮き上がる泡のような光景が繰り広げられ、この日のライブをより印象的なものにする立役者として存在感を放っていた。
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終盤のMCでは卓郎が「世の中は相変わらずこんな状況だし、世界情勢も大変なことになってしまっていて、もううんざりだなって思うこともあるけど、そんな中でも今日こうしてライブができて、みんなと同じ時間が過ごせて、この為に音楽はあるんだって思います」と語っており、この言葉は強く印象に残っている。
「必ずまた会いましょう!もういっちょいくか!いけるかー!!」とお馴染みの煽りから、ライブという空間の存在意義を演奏で示すかのごとく、『太陽が欲しいだけ』『Living Dying Message』『新しい光』と怒涛のブチ上げナンバーが容赦なく連発される。
そして本編ラストを飾ったのは、『Dawning』のラストナンバーとなる『The Silence』
この『The Silence』では、Cメロの「暗い地下室で待っているあの人と」の辺りで、前述の縦長の照明により赤いドロドロの血液が滴り落ちるような光景が繰り広げられており、『The Silence』という楽曲の持つ壮絶さをより引き立てるのに一役買っていた。
このあまりに壮絶で強烈な光景は、これまで観てきたどのライブでの『The Silence』よりも強く印象に残り続けている。
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壮絶なエンディングから会場の熱気は冷めやらぬまま、拍手によるアンコールに応えてステージにメンバーが再登場すると、これまた『Dawning』からの1曲『ハートに火をつけて』が演奏される。
テンションの上がりまくった卓郎がサビ前の「一人では塞げない」のところで「一人では塞げませ~~~~~~ん!!!!」と叫びだす場面もあった。
そしてラストには、9mmのライブの〆楽曲として絶対的な信頼感のある『Punishment』が演奏される。
間奏では和彦、卓郎、滝、サポートの武田くんの弦楽器隊がステージ前方に勢揃いしてソロパートをかき鳴らし、熱狂のうちに終演となった。
ありがとう9mm Parabellum Bullet
ありがとうEX THEATER ROPPONGI
前回EX THEATER ROPPONGIでのライブが行われたとき、チケットを持っていたにも関わらず当日になって行けなくなってしまった苦い思い出のある地でもあり、『Dawning』からの楽曲満載のセトリで攻めてくる今回のライブを観たことにより、9年越しにあの日の俺の魂が救われたような気がした。
新アルバムのリリース、そしてそれを引っさげてのツアーで更に進化した19年目の9mmの姿を見る日が来るが本当に楽しみで仕方がない。
次のツアーまでまた、生き延びて会いましょう!
セトリ
- The Lightning
- Answer And Answer
- Zero Gravity
- 名もなきヒーロー
- ルーレットでくちづけを
- ロビンソン
- 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
- 黒い森の旅人
- 新曲(タイトル未定、インスト)
- 新曲(One More Time)
- 新曲(淡雪)
- Caution!!
- Snow Plants
- コスモス
- 泡沫
- キャンドルの灯を
- 太陽が欲しいだけ
- Living Dying Message
- 新しい光
- The Silence
[EN]
- ハートに火をつけて
- Punishment