az-ldm’s blog

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菅原卓郎の歌詞で好きなフレーズランキング

10位 Starlight

君の目に揺れている シリウスのきらめきで
孤独な夜を 照らしておくれ
孤独な星を 照らしておくれ

星という誰かを照らすものとして歌詞で描かれがちな対象に対して、「孤独な星を照らしておくれ」という独特な優しい視点が好き。

 

9位 The Lightning

アレもコレもじゃなくて ひとつだけ欲しいんだ
この世界をおくれよ おれに丸ごと

シンプルにかっこよすぎる。
菅原卓郎お得意のこういった一撃必殺的な切れ味鋭いフレーズには本当に痺れる(雷だけに)

 

8位 (teenage)disaster

月の影 星の海 渚にある街
砂に心 埋めるところ
ずっと見ている子供

飲み乾せば鉄の味がして
そこに住むと誰もが
鈍く光る涙 流すらしい

曲が短いのでフレーズというかこれで歌詞全量なんだけど、たったこれだけの歌詞でディストピア的な世界の情景を想像させる表現ができるのはもはや俳人

 

7位 ハートに火をつけて

君と僕はついてる かたく結びついてる 一筋縄ではいかない
君と僕はついてる 互いに嘘をついてる 二枚の舌がこんがらがって夜が更ける

前半と後半のフレーズで「ついてる」という言葉の意味合いが真逆になっていたり、「一筋縄」と「二枚の舌」で数字のつく慣用句が並んでいる点がハイセンス。

 

6位 それから

“つらいかこのきずをいつくしめるなら
やさしさのしょうたいがなんだっていうんだ
あなたはぼくだけを あなたはぼくだけを
あいしてはくれませんか”

BABELという壮絶なアルバムのラストシーンを飾る楽曲であり、上記のポエトリーリーディングのパートを聴いた瞬間、強すぎる祈りは呪いのようなものだと考えさせられるフレーズ。

 

5位 Snow Plants

ヒリヒリと ヒリヒリと 痛みだけ積もらせて どこに消えたの
ひらひらと はらはらと 雪の花びらよ

菅原卓郎の書く歌詞に登場する雪はただ美しいものとしてではなく死や別れや痛みの象徴として描かれることが多いのは、菅原卓郎が雪国(山形県)の出身で雪というものを抗えない自然の猛威と捉えているからという説を推しているのですが、その象徴とも言えるフレーズだと思う。
来月リリースの新アルバム『TIGHTROPE』にも『淡雪』という雪の楽曲があり、今度はどんな雪景色が描かれるのか非常に楽しみ。

 

4位 名もなきヒーロー

あなたは名もなきヒーロー
明日にどんな夢をみているの
誰もが胸の内に
迷い抱えているけど
押し寄せる不安だとか
プライドは手強いね

9mmに限らず、曲の歌詞に自分のことを見透かされてるように感じることがたまにあるけど、上記のフレーズがまさにそれ。
応援歌ではあるんだけど、全体通して無責任に背中を押すような内容ではなくて、ありのまま受け入れて寄り添うような応援の仕方に菅原卓郎という人間の器の大きさや優しさが表れていると思う。

 

3位 白夜の日々

君に会えなくなって 100年ぐらい経つけど
思い出せなくなって しまえば楽になれるの
日が沈まなくなった 白夜の街は今夜も
悪い出来事なんて どこにもない気がしたよ

コロナ禍での思うように人と人が会えなくなった時期に書かれた歌詞で、「日が沈まなくなった白夜の街」のことを決してクソッタレな世界とは表現してないところに、菅原卓郎の人間性がよく表れている。
良いことも悪いことも全てありのままに受け入れる、俺はそんな菅原卓郎という男の自然体な生き様に心の底から惚れている。

 

2位 The World

呼吸を止めて確かめてみる
生きていく苦しみをわずかでも
目を凝らして焼き付けてみる
明日も僕らが生きていく世界を

10年以上前に書かれた楽曲ではあるんだけど、昨今の時世と照らし合わせても符合するように感じられるフレーズ。
『Termination』の中で描かれるディストピアな世界の中であくまで生き抜こうとする人たちに焦点を当てて描いた歌詞が偶然にも昨今の時世ともマッチした結果なのかも知れないけれど、時折菅原卓郎という男はどこまで先の世界を見据えているのかと舌を巻くことがある。

 

1位 Wanderland

見えないラインで区切られた
ツギハギだらけの世界地図
国境は歴史の傷口で
治せる薬を探してる

さすがに天才と言わざるをえない。
インディーズ盤から『VAMPIRE』あたりのディストピア的な世界観を描いた歌詞はどれも好きなんだけど、その中でもそんな世界観の象徴とも言える、もう彼の書く歌詞でこれ以上のフレーズは出てこないんじゃないかとさえ思える名文。

 

一曲全体通しての歌詞で言えば、Mr.Suicide、Sundome、Living Dying Message、The Silence、太陽が欲しいだけ、ロング・グッドバイ、眠り姫辺りも好きだけど、1フレーズの切れ味という観点で上記のような選出となりました。

 

終わりに

7月19日は9mm Parabellum Bulletのギターボーカル・菅原卓郎さんのお誕生日です。
生き様や人間性まで含めて心から尊敬できる唯一の存在。
おめでとうございます。一生好きです。

以上。